実践11 土曜講演会
毎月第一・二・三土曜の午後二時から開催している集団療法です。
講演会といっても、何も精神医学や心理学の権威を招いて話を聞くのではありません。講演するのはみな、うつ病など心の病に苦しみながら実践療法に取り組んでいる方々です。
実践療法をはじめて三カ月から半年が過ぎた頃、症状の回復具合を見ながら第一回目の講演を行なっていただくようにしています。話の内容は自由ですが、基本的には病気になったきっかけや、どんな症状に苦しんでいるのか、実践療法に取り組んだ感想や自分なりの療法の進め方などについて、一時間ほど語っていただきます。
講演会は自己啓発の一環として行なわれています。うつ病になると、対人恐怖症や視線恐怖症に陥る人が少なくありません。こういった症状が出ると周囲の人達と疎遠になり、人前で話すことに対して極端なまでの苦手意識を持つようになります。しかし、この最も苦手なことを克服しさえすれば、自分では想像できなかったような新しい自分、自信にあふれた自分を発見することができるのです。そして、かけがえのない自分の存在に気づき、誰もが現在の自分を肯定できるようになります。
社会を形成し、その中で日常生活を送っている人間は、周囲の助けなしで生きていけるものではありません。そのため、自分の存在を見失わないためには、他人と円滑な人間関係を築くことができ、自分の意見をしっかりと表現できる能力が必要とされます。「土曜講演会」では、社会の中でたくましく生きていくために必要な能力を身につける練習をするのです。
また、土曜講演会は、それを聞く人にとっても、病気を克服するための大きな影響を与えます。他の人がどんな症状に苦しみ、どのようにして病気を克服しようとしたのかを知ることは、自分の抱えている症状が決して特別なものではなく、誰もが経験するものだという安心感を得たり、療法を実践する上での大きなヒントをつかむことにもつながります。











